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 ひとつだけ [矢野顕子・忌野清志郎]


キミの心の 黒い扉 開くカギ


矢野顕子の名曲、「ひとつだけ」。
この曲をfujirockその他のライブで、忌野清志郎と一緒に
いまわのあきこというユニットで歌っていた。

そのバージョンでは、清志郎らしい歌詞の工夫がなされている。

本来は、すべてを1人(女性)で歌うことで、
思春期の女の子の一途でキラキラした世界を歌っているが、
いまわのあきこになることで、それは変わる。


[ひとつだけ(元の歌詞)]

欲しいものはたくさんあるの
きらめく星屑の指輪
寄せる波で組み立てた椅子
世界中の花 集め作るオーデコロン

けれどもいま気がついたこと
とっても大切なこと
欲しいものはただひとつだけ
あなたの心の白い扉 開くカギ






一番の途中から、清志郎にバトンタッチする。
その時の歌詞がこう。

けれどもいま気がついたこと
とっても大切なこと
欲しいものはただ一つだけ
キミの心の黒い扉 開くカギ


「白い扉」を、「黒い扉」、と言い換えるだけで
歌は女の子の王子様的世界から、男の子のはかない世界へと変わる。

僕ら男にはわからない、女の子の黒い黒い心の奥の黒い扉。
キミが知りたい。でもそう言えば言うほど、女の子は心を閉ざす。

「白」を「黒」に換えるだけで、
こんなに曲の意味が変わることがあるんだと思った。


もちろん、そのあとの、
「離れているときでも、僕のこと、忘れないでおくれ」
という主語変換も見事だけれど、
この歌のアレンジの最大のポイントは、
「白」を「黒」に換えたことだと思う。
by blues-words | 2009-06-18 14:22 | コトバ
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